羅生門 蜘蛛の糸 杜子春 外十八篇 (文春文庫―現代日本文学館)のレビュー

本の造りに関して
内容に関しては他の方のレビュー通り
芥川を代表する作品ばかりで間違いなく☆5だと思う。

・本の造りに関して感じたこと
太宰の(文春文庫―現代日本文学館)で書いている方がいらっしゃるが
(僕も太宰の (文春文庫―現代日本文学館)を持っています)
この本も真ん中の、開く部分のギリギリまで文字が書いてあって
多少読みにくい印象を受けた。
本を他社の文庫本より大きく開く必要があると思う。
☆マイナス1
あと1行少なくすれば読みやすいと思うのだが、、。

それ以外はパーフェクトでしょう。
フォントも字の大きさも紙質もかなり自分好み。
ページ毎の左端に解説があるのも非常に便利だ。
☆プラス1

よって☆4で。

芥川ならコレを抑えておけという作品ばかりなので
本棚に必須の1冊だと思う。

余談だが
分厚すぎてお気に入りの革のブックカバーがしっくりしないのが残念だった(笑
お得な1冊
芥川龍之介の作品集は多くの出版社からあらゆる形態で出版されていますが、この本は初めて芥川龍之介の作品をまとめて読まれる方にはオススメの1冊です。とても価格が安い上に芥川の代表作と言われている有名な作品が多く掲載されていて大変お得です。

まず始めは芥川のエッセンスがギュッとつまったこの本を読んで、さらにもっと他の作品も読んでみたいと思えれば全集や他の作品集に手を伸ばしていくとよいでしょう。
例えこの本以外には芥川龍之介の作品に手を伸ばさなかったとしてもこの本に掲載されている作品だけでも一般常識として芥川の作品を語ることは十分できると思います。買って損はしません。

私はこの本をきっかけに芥川龍之介にはまってしまい、もっと多くの作品を読みたいがために他の出版社の作品集にもついつい手を出してしまいました。
初めての芥川はまずはこの1冊から読まれることを強くオススメします。


傑作
芥川龍之介の中でも傑作と呼ばれる作品が多く含まれていると思います。
羅生門のおどろおどろしさ、蜘蛛の糸の人間の徳とは何か、色々と考えさせられます。
ただの小説ではなく、自分自身の中身にも切り込む良書だと思います。
短編だけど
『くもの糸』が好きです。5ページ位しかないけどしっかりまとまっていて読みやすいです・・内容は可哀想だけど・・・あと実は絵本であるんですよー・・小説が苦手な人は絵本でー
芥川龍之介という人の並々ならぬ技量がわかる。
この作品を初めて読んだのは中学生くらいの時だっただろうか。
当時、「羅生門」が黒澤明監督の出世作だとは聞き、是非、映画を見る前に、原作を読んでみたいと思ったのが動機だったが、当時は、どの作品も、正直、あまりにも物足りなさを感じた。
だが、最近、年を取って、改めて「羅生門」を読んでみたところ、まるで別の作品であるかのように、登場人物の描写一つ取っても活き活きとしており、見違えるほどだった。
これほどに、読み手の世代が変わると、当時とは違って見える作品も珍しいのではなかろうか。

もっとも、これには、以前、一度、見ていたことで、簡単なストーリーは頭にあったことも影響したのだろうと思う。
賊と女と夫・・・。
現実はあまりにも醜く、そして、一層、現実的である。
中でも、賊と女はともかく、死んだ人間の供述を表現するのに霊能力者を使うというのは、まあ、現代よりは発想しやすかったのだろうが、芥川龍之介と言う人の手腕には並々ならぬ物を感じた。
普通であれば、ここは夫も死なずに証言出来る程度の重傷くらいで止めるか、もしくは、証言自体を削り、証言出来ない無念を表現するかであったろう。

他にも、蜘蛛の糸、杜子春ほか、よく知られた作品ばかりであるが、ただ、もう少し、現代的に直せば多くの人により親しまれるようにも思う。